星 襄一
1913(大正2)–1979(昭和54)
《王の樹》
1976(昭和51)年
木版/紙
55.6×88.0cm
郷里の新潟でガリ版印刷の仕事をしていたことが、星襄一の美術への思いを掻き立て、38歳で武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)に入学し版画を学ぶ。
星の木版画は、独自に考案した鎌や鉄筆で繊細な彫りを作り、その彫り口に細いガスバーナーの火を筆のように用いて柔らかく繊細な調子を作る。
彼は星・地平線・雪などを題材に「限りある命の人間」から「何か永遠のあるもの」への憧れや祈り、訴えを表現し、地上では樹木を自分の思いを託せるものとした。この作品の下地の金箔は大樹の存在を際立たせ、絡み合うような枝は、遥かなる天に万感の思いを馳せながら去っていった人々の心を宿しているかのようであり、堂々とした胴体部は、地に生きるものの不屈の精神を感じさせる。(AJ)
