千代倉桜舟
1912(明治45)–1999(平成11)
《いろはうたの構築(4部連)》
1984(昭和59)年
墨/紙
232.5×214.0 cm(各)
いろは歌は千代倉桜舟の主要なテーマの一つである。海水パンツに足袋を履き、鉢巻を締め、体育館の床に広げた30mを超える長尺の紙に、身の丈ほどもある筆を抱え、紙の上を駆けて書き上げる超大作のいろは歌の制作を、千代倉は何度も成功させている。その作品には身体感覚とも呼べる躍動感や、定着してなお姿を変じるかのような、字形が内包する力までも備えている。
本作では、いろは歌が始まりうねるように躍動し、判読できないほどに字形がその響きを切望し、終わりに向け収束していく様を書き切っている。千代倉が70歳を過ぎて到達した、いろは歌の傑作である。(NR)



