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90

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小暮青風せいふう

1911(明治44)–1996(平成8)

《漂泊の思い》

1985(昭和60)年

墨/紙

176.5×720.8cm

千葉県立博物館 資料データベース

松尾芭蕉の『奥の細道』の冒頭部分を書いたものである。  「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也」(月日は永遠の旅人のようなものであり、過ぎては来る年もまた、旅人のようなものである)から始まる。  「行春や鳥啼き魚の目は泪」(去り行く春に、鳥は啼き、魚は涙を浮かべている)で終えている。  小暮青風は、全体に淡い墨色の濃淡を小気味よく織り交ぜながら、淀みなくたおやかに文字を連ねている。左右に揺れるような文字の運びは、旅情に身を任せる芭蕉の心の揺らぎをイメージしたのだろうか。  小暮は、群馬県に生まれ、鈴木翠軒すいけん、大石隆子に師事。かな書を得意とし、日展、読売書法展などに出品、日展特選・苞竹ほうちく賞などを受賞。万葉歌、芭蕉、良寛などの詩歌をモチーフとして好んだ。千葉県市川市に居住した。(AJ)
《漂泊の思い》 1
《漂泊の思い》 2