浅見喜舟
1898(明治31)–1984(昭和59)
《太公有意垂釣》
1963(昭和38)年以前
墨/紙
135.0×34.7 cm(各)
この句は宋代の詩人釋智遇の『偈頌二十四首』の最後の部分で詩の全文は以下の通り。
時遷物換,革故鼎新。
土膏未動,商量打春。
太公有意垂釣,夫子無心獲麟。
詩の内容は、おおよそ以下のようになる。
時が経つにつれ、物事は変わりゆく。慣習や制度も改正された。
しかしいまだ土地は肥沃とならず、人も牛もだらけぬよう戒めが必要だ。
太公(中国、周代の政治家呂尚のこと)は思惑を胸に釣糸を垂らしている。
太公は、ただ無心によって麟(名君のもとに現れる神獣)を得る。
太公の苦しい胸中と秘めた思いを綴った詩の心を汲み取り、薄墨の濃淡、動きとバランスに富んだ字形、余白の取り方などに配慮して表現している。(AJ)
