小倉惣次郎
1843(天保14)–1913(大正2)
《伊藤博文像》
1909(明治42)年頃
ブロンズ
38.6×20.0×11.5 cm
本作は兵庫県神戸市の大倉山公園内に設置された伊藤博文像の原型である。武田五一設計の高さ9mを超えるピラミッド型台座の上に、さらに箱型の台座を設け、その上に等身大を超える銅像が制作・設置された。生前、伊藤が好んだ大倉喜八郎の別荘地を、大倉が神戸市に寄贈して建てられたが、台座以外は現存していない。近代日本彫刻史において、西欧由来の立体表現に取り組んだ1843(天保14)年生まれの日本人作家の作として、本作の写実性は先駆的といえよう。左手に持つのは憲法の草稿である。
小倉惣次郎は、現在の千葉県木更津市の宮大工の家に生まれ、初め宮彫りで木彫作品を制作していたが、ヨーロッパの写実表現に驚嘆し、工部美術学校の彫刻科教師として来日していたヴィンチェンツォ・ラグーザから、塑像や石彫の技術を学んだ。日本の近代化に貢献した人物を、銅像制作して顕彰することが盛んになると、その原型制作で知られるようになった。(NR)
