大久保作次郎
1890(明治23)–1973(昭和48)
《海水浴帰り》
1917(大正6)年
油彩/キャンバス
162.0×188.0cm
大久保作次郎は明るい外光の射す下の人物を好んで描き、「外光派」の穏健な作風を示した。本作品では、白い帆船の浮かぶコバルトブルーの海と陽光を浴びたピンク色の砂浜のコントラストが爽快で、人物の浴衣や帯に落ちる木漏れ日が、豊かな光の表現を成している。写生地は千葉県勝浦の海岸だと推定され、影を落とした人物の表情には、海で遊んだ心地よい疲労感が感じられる。
大久保は、東京美術学校研究科在学時の1916(大正5)年第10回文展から3年連続特選の華々しいデビューを飾った。本作品は、1917(大正6)年の文展出品作であり、若き大久保の確かな画力とみずみずしい感性が表れた作品である。(MN)
