梅原龍三郎
1888(明治21)–1986(昭和61)
《竹窓読書図》
1937(昭和12)年
油彩/キャンバス
80.0×65.0 cm
梅原龍三郎は、自身のコレクターである写真家野島康三の別荘に、1920年代から度々訪れていた。この別荘は、熱海の来宮や魚見崎が一望できる場所だったという。梅原が師事したルノワールは、南仏に海を臨むカーニュ=シュル=メールにアトリエを持っていた。梅原も好んでいたカーニュの風景を想起したのか、同じ別荘を別の角度から描いた《熱海野島別荘》(神奈川県立近代美術館蔵)や、この別荘で椅子に腰かけた長女を描いた《紅良像》(個人蔵)など、温暖で光の優しいこの地で制作を繰り返した。
本作も、熱海の光を受け、背景の山や庭に生える草木の深い緑と、建物を彩る赤との対比が鮮やかに描かれている。(FR)
