大下藤次郎
1870(明治3)–1911(明治44)
《久々子湖》
1911(明治44)年
水彩/紙
35.0×24.5cm
東京都に生まれ、原田直次郎に入門した大下藤次郎は、ヨーロッパを旅行し、外光派の手法の習得に努めた。1901(明治34)年に『水彩画の栞』を刊行、1905(明治38)年に『みづゑ』を創刊し、翌年には水彩画講習所を開くなど、明治期の水彩画ブームを先導した人物である。
本作品は、1911(明治44)年8月に松江から福井にかけて講習会のため旅行した際に描かれたもの。三方五湖の一つである久々子湖に取材し、水辺で遊ぶ母子を描く。色彩の豊かな大下としてはめずらしく、全体が脂っぽい色調で統一された感傷的な雰囲気を漂わせる作品である。大下はこの直後体調を崩し、10月に41歳で亡くなっている。(JA)
