富取風堂
1892(明治25)–1983(昭和58)
《葛西風景》
1937(昭和12)年
絹本著色
91.0×116.0 cm
富取風堂は、東京に生まれた。松本楓湖 の安雅堂画塾に学び、同門の先輩、今村紫紅を中心に、速水御舟らとともに、当時、急進的な日本画の研究会として注目された赤曜会を結成し、日本画の革新に情熱を傾けた。
富取は1923(大正12)年の関東大震災を機に千葉県市川市に移り住み、風景写生に力を入れるようになった。中川を中心に東京湾北岸に取材した作品を描き、急速に都市化が進み、失われた昔懐かしい川の趣を今に伝えている。
本作品では、波紋が印象的な水流が画面中央に流れ、川に浮かぶ船は、視線を奥へと誘う。装飾性を加えながら軽やかな筆致で、素朴で美しい光景を描いている。(MN)
