石井林響
1884(明治17)–1930(昭和5)
《和気清麿》
1907(明治40)年
絹本著色
112.4×217.2 cm
石井林響の画歴において最も重要な作品の一つである本作は、回顧展の際に示されてきたが長らく所在不明であり、現存しているかどうかもわからないままだった。縦112.4 cm、横217.2 cmの絹本に描かれた大作である。画面の縦方向に絹が織られていることから、幅2mを超える特性の織り機が使われたと考えられる。この年、弱冠23歳だった林響に、すでに有力な後援者がいたことが推察される。
道鏡が天皇にふさわしいのか、宇佐神宮で神託を受けるよう受命した清麿が、早朝の宇佐神宮に到着し、神殿に向かう場面を描いている。画面の大きさに比べ幾分小さめに描かれた清麿の姿は、重圧のなか、任務を果たさんとする決意が示されているようである。(NR)
