浅井 忠
1856(安政3)–1907(明治40)
《藁屋根》
1887(明治20)年頃
油彩/キャンバス
48.9×71.0cm
江戸の佐倉藩邸に生まれ、幼少期を佐倉で過ごした近代洋画の先駆者浅井忠は、千葉県ゆかりの代表的な作家であるとともに、当館が長年コレクションの柱として、作品収集・調査研究に努めてきた作家である。
本作品は、1887(明治20)年頃、群馬県訪問時の経験をもとに制作したとされる、初期の代表作の一つ。中央に大きく藁ぶきの農家を描き、その前に広がる庭に配された二人の点景人物が、画面全体を引き締める効果を生み出している。青灰色を主調とした控えめな色彩ながらも、垣根に咲いている黄色と白の寒菊が、画面にアクセントを加えている。農村の日常生活と季節の情緒を巧みに描き込んだ、浅井の確かな技量がうかがえる風景画。(JA)
