ギュスターヴ・クールベ
1819–1877
《嵐》
1865年頃
油彩/キャンバス
60.6×90.9cm
嵐という主題は、調和や秩序を重んじる理性よりは個人の感情を、有限なものを超越する無限なものの力を尊んだロマン主義の思潮のなかで盛んに描かれたが、クールベは人間中心ではなく、自然そのものの脅威を描いた点で革新的だったといえる。
スイスとの国境に近い山村オルナンで生まれたクールベにとって、海は未知のものだった。クールベが海を描いたのは、1865年の秋と、1866年秋のフランス北西部のドーヴィル滞在、1869年の8月と9月のフランス北部エトルタ滞在の3期に主に分けられ、本作品もその一つである。本作品では、人間の姿は不在で、打ち上げられた船が自然の猛威を間接的に伝えている。(MN)
